壁新聞“西別府の心”№8
11月も中旬になりました。2013年も残すところ45日。
皆さんにとって今年はどんな一年でしたか?
年々一年が過ぎるのが早く感じられます。冬に向かう気候の変化についていけない自分にショックを隠しきれません。私だってぴちぴちギャルの時代はあり、恋を夢見る乙女の時代があり、子育てに悪戦苦闘髪ふり乱して頑張っていた時代もあったのです。でもいつの間にか過ぎ去ってしまい、眼鏡を掛けたり外したりパソコンと格闘し、日々の業務に悪戦苦闘、白髪交じりの髪は降り乱れるほどの量もなくなってしまいました。さびしい話ですね。だけどだからと言ってうつむいて落ち込んでいるのではありません。
第2の青春を満喫すべく好奇心のアンテナはあちらこちらに張り巡らし、今しかできない何かを追い求める気持ちは、若い時よりも貪欲ですよ。
先日~人間らしく働くための九州セミナーイン大分~が大分コンパルホールで開催されました。
九州各県から500名近くの参加者が集いました。
記念講演はジャーナリストで和光大学教授の竹信三恵子先生の「働き手の4割の健康が見えない~非正規労働者の安全性~」今、国立病院機構の職員数(正職員)は5万人と言われています。
非常勤職員(非正規労働者)の人数は正確には把握できていません。
これは国立病院機構の中で8時間雇用として計算していくために、時間換算で数え人数換算していないからです。大体2万人から3万人近い人々が非常勤雇用として働いているのではないかと思われます。
これらの人々は上限を3年とされていますが(職種によっては5年)再雇用を阻むものではないとされていますので長らく働き続けている人も多くいます。
病院と言う特殊な職場では短期間で変わっていくよりも長期にわたって働き続けることが大切ですし、患者さんのためにも必要なことです。しかし、非正規雇用なのです。
給与はほとんど上がることはありません。
結婚休暇は取れますが無休です。産前・産後休暇・育休も取れますが保障はありません。
病休も無給になります。
何年も継続して働き続けても退職金はありません(これは1年1年契約更新と言う形になるからです)。
竹信先生が教えている大学の学生はほとんどが正職員になることを希望しています。
しかし、今全労働者の中に占める非正規率は38.2%、その中で女性が57.5%を占め、その次は20代前半の若年層が占めていると言われています。
病院の中は資格職の世界ですからこれに当てはまらないかもしれません。
しかし、世間に目を転じてみれば如何に非正規労働者が多く、その大半が女性と若者であるという現実が見えてくるのです。
大学は出たけれど就職が難しいそれでは手に職をと、医療系の学校に入り直す人が年々多くなってきています。しかし、多くなればなるほどその分野でも安易に労働力を得るために非正規雇用の幅が大きくなっていくのです。安価で簡単に雇って使い捨て。本当にそれでいいのでしょうか?人間歯車?一本のねじと同じで簡単に付け替えられる?
「家事労働ハラスメント」(岩波新書刊・竹信三恵子著)の中にこの非正規労働者の厳しい現状を語る場面がありました『派遣会社の男性営業担当者は、妊娠した派遣社員の女性に対して「派遣先のニーズに合わない、ビジネスとそういうもの」と契約解除を通告してきた。
そして、夫に対し「同じ男として、面倒を見る自信がないのに妊娠させたりしません。
私も妻がおりますが家でゴロゴロしております。(中略)いつ妊娠しても大丈夫な経済的貯えもございます」と言うメールを送りつけてきた。女性は夫の経済力で生活すべきで、子供が出来たら働き続けること等論外、派遣会社はこれを前提に労務管理をしているという事だ。』
世の中どうなっているのでしょうか?
子育てしながら働き続けることを目指して一生懸命運動してきた看護師闘争。
余りにもかけ離れた世間の流れに愕然とするばかりです。労働者人口が減り、今からは女性を活用していく時代だとどこかの総理が公言していますが、反面ではこのような状況が大きくまかり通っている現実を決して見過ごすわけにはいきません。医療の世界が一般社会と異なるのではないのです、同じ社会の仲間なのですから。
働き方は千差万別、しかし、誰一人苦しまない環境づくりをすること、誰もが明るい未来に向かって進めることを保障していくことは決してわがままな考え方だとは思わないのですが・・・。
好奇心のアンテナをあちこちに向けて、ときに脱線することもありますし、仕事と関係ないかなと思うこともありますし、あれに食いついたり、これに食いついたり、
いろんなことに首を突っ込んで、それが自分の仕事観にプラスになればなんて思ったりしています。
最近また関東では地震が頻発。私は九州に帰ってきたので、ほんのちょっぴりほっとしていますが、地震だけでなく台風被害、大雨被害など心の痛むニュースも多いです。心のアンテナはいつも感度良好にしておきたいものですね。