壁新聞“西別府の心”№3
9月に入りました。朝夕が涼しく本当に過ごしやすくなりましたね。
一時は8月の暑さが延々と続くのではないかと思いましたが、本当に日本の四季が健在でよかったです。
さて、先日医労連の会議で久しぶりに東京に行ってきました。
やはり人が多くて、まだまだ暑くて、なんとなく早く歩かないといけないような、街の風景は変わりませんでした。
「看護要求実現交流集会」と言う会議に行ってきたのですが、全国から250名近い参加者があり、神戸女学院大学の石川康弘先生の講演を聞いて、みんなで秋闘の学習会をしてきました。
講演は少し難しい所もありましたが、医療職場で働く私たちも社会の流れ、動きをしっかり見て学習することが大切。新聞だけで納得するのではなく、ペンを持って辞書片手に本を読む勉強が大切で、そうすることによって自分の頭でいろんなことが考えられるようになるのですよと、本当に大学の先生らしいお話でした。ちなみに内容は憲法の話、社会保障の話でした。改憲論が飛び交っていますが、他人ごとではなくしっかりと中味を学習して自分自身の頭で考えていくことが大切ですね。きっと今はいろんな本が出ている時期なので皆さんもこの機会にめったに読まない本を一冊手に取ってみるのもよいかもしれませんね。学生時代からだんだん遠ざかり、医療や看護の勉強以外に、本を片手に勉強することがなくなってきているかもしれませんが、気分転換で新鮮な発見があるかも知れませんよ。
今日は少し夜勤のお話をしたいと思います。
夜勤と言えば、挙げられる職業のトップが看護師。医師、警察官や消防士、客室乗務員、郵便局の職員、タクシーの乗務員、長距離トラックの乗務員、コンビニエンスストアの店員さん等数え上げれば多くの職種の人々が夜勤業務をしています。しかし、それでも全労働者の20%にも行かないそうです。それほど特殊な業務だという事です。そんな事からか夜勤業務についてのリスク面はほとんど認識されていません。
ILO(国際労働機関)での夜業条約(第171号)も1948年に出された夜業(婦人)条約(改正)(第89号)が基本となっています。こんな数字は覚える事はないのですがそれほど古くからあったという事です。
「午前零時から午前5時までの時間を含む最低7時間以上の継続期間に行われる全ての労働」とされており夜業労働者には特別の措置が要求される。と規定されています。
しかし、残念ながらこの条約に日本は未だ批准(同意)していないのです。
ところがここ最近、日本看護協会でも夜勤・交替制勤務のリスクを大きく出してきています。
☆健康リスク
短期の健康問題睡眠障害、疲労、ストレス、感情障害、月経不順など
中期の健康問題循環器疾患(心臓病、高血圧など)
長期の健康問題乳がん、前立腺ガンなど
☆安全リスク
・十分な休息を伴わない夜勤は酒気帯び運転以上に危険-休息を伴わずに作業を継続した場合、真夜中から明け方にかけての時間帯には人間の注意力や作業効率が低下し、酒気帯び状態で同じ作業をさせた場合よりも作業成績が下がる事が立証されています。
・長時間労働・夜勤により事故のリスクが増す
・連続夜勤によってインシデントの発生リスクが増す
☆生活リスク
労働者の大半が常日勤者で有り、社旗生活を送る上では,交替制勤務者も常日勤者の生活リズムに合わせる事になりますが、交替制勤務者の勤務時間は、夜間に及ぶシフトを含みリズムが一定でないため、常日勤者の生活リズムに合わせるためにさまざまな負担を生じる。
要するに楽しいはずの運動会も厳しい勤務のやりくりの中で疲れが残るという勤務体制も・・・。という事ですね。
9月14日(土)に大分県看護協会が学習会を開催しますが、ここで佐々木司さん(労働科学研究所)が講演をされるようになっています。
「ルールがわかれば変わる-看護師の交替勤務」という本の中で正循環勤務の話や夜勤の話など詳しく研究された結果を書かれています。
西別府支部でも佐々木司さんの学習会を計画していきたいと思っていますが、この機会に是非講演を聴いてみて下さい。
目から鱗かもしれません。
この夜勤の話はまた、次回に続けて行きたいと思っています。
笑顔で働き続けられる事をめざして、みんなで考えていきましょう。
愛する西別府病院のために!!